言わずと知れた、西武百貨店の旗艦店。セゾン文化発祥の地であり、1980年代には日本の百貨店の中で売り上げ日本一となった。
その後のバブルの崩壊とセゾングループ解体、そごうとの経営統合やセブン&アイホールディングスによる買収など、目まぐるしく変わる経営環境の中でも、変わらず「西武百貨店の顔」「池袋駅に顔」として君臨してきた。
そんな同店も、いま岐路に立たされている。親会社のセブン&アイが投資ファンドへの売却を決定したことで、ついに池袋本店にもメスが入れられることになった。ヨドバシカメラの入居。百貨店への大型テナントの導入は珍しい話ではないが、ヨドバシの要求は「低層階への出店」。もし実現すれば、営業中の百貨店の顔と言える部分に家電量販店が出店するのはおそらく初めてのことであろう。
私自身、今回の件で地方店など、さらなるリストラを予想していたが、まさか稼ぎ頭である池袋本店がこのようなことになるとはこれっぽっちも予想してなかった。店舗所在地である豊島区や地権者の西武HD、労働組合の反発など、一筋縄にはいかなそうだが、ディールが正式に行われる来年以降、これまでにない変革が待っていることは間違いないだろう。
ロフトや無印良品、西友やファミリーマートを生み出したセゾングループの発祥の地であり、”イケセイ”。訪問はお早めに。
撮影日 2022年12月19日